榊莫山・筆「天平ノ首飾リ」
リトグラフ 額装 
直筆サイン・限定番号入り 

花アルトキハ花ニ酔ヒ
 風アルトキハ風ニ酔フ
 自然流 莫山先生が描く
  詩書画一体の初のリトグラフ作品

 ハコネウツギヲ 
  古イ百済ノ壺ニイケ
   遠イ天平ノ首飾リヲ想フ 莫

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 この美しい仏さまのモデルは京都・浄瑠璃寺の秘仏・吉祥天女像です。白い肌に引かれた紅、翡翠のイヤリングをつけ、胸元には首飾りがさりげなく掛けられています。実際の浄瑠璃寺の吉祥天は極彩色の着物に身を包んだ美人です。このファッショナブルで美しい吉祥天女像が安置されている浄瑠璃寺は天平11(738)年行基の開基で建立されました。天平時代のため奈良の寺と思われがちだが、京都府加茂町にある。9体の阿弥陀木彫仏があることから「九体寺」の呼び名でも親しまれています。
 詩に歌われているハコネウツギ(箱根空木)はスイカズラの仲間の樹木で、花が咲き始めは白く次第に紅色に変化していくことから、一本の木に白や桃色、紅色の花が咲いているように見える。百済の壺に生けたハコネウツギに浄瑠璃寺の吉祥天を思い浮かべた莫山先生の繊細な視点に触れることができます。
 毎日新聞日曜版の人気連載コラムだった『莫山つれづれ』(2005年10月22日より06年9月24日まで50回連載)でも、この「天平の首飾り」制作のエピソードが書かれています。
榊莫山「天平ノ首飾リ」リトグラフ額装

【仕様・体裁】
作品寸法 43.7x60.0cm
技法 石版画(リトグラフ)
制作 赤川版画工房
版画紙 フランス製BFKリーブ紙
1998年制作
限定 150部(限定番号莫山先生直筆サイン、落款入り)
額装 藤枝春月
額寸法 68.1x83.6cm
編集 毎日新聞社図書編集部
発行 毎日新聞社

おかげさまで完売となりました。ありがとうございました。

 
莫山先生の奔放な筆致、墨のにじみまで最高の石版画の技術で再現
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限定番号
莫山先生軸筆サイン

榊 莫山(さかき ばくざん)
大正15(1926)年、三重県上野市菖蒲池の17代続く旧家に生まれる。本名、齋(はじむ)。中学時代は書を松永楳園に、油絵を佐々木三郎に師事。戦後、辻本史邑に書を学び、篆刻を梅舒適に師事する。日本書芸院展、奎星会展などで度重なる最高賞を受け、審査員としても活躍したが、昭和33(1958)年、書壇を退いて独自の道を歩む。伸びやかにして奔放自在な書、柔らかなタッチの詩情あふれる風景画、仏の温かさが伝わってくる人物画など「詩書画三絶」の新しい世界を切り開く。また“莫山流”と称してもいい自然体の生き方を写した文体で「書百話」、「莫山歳時記」(毎日新聞社)などベストセラー多数。

莫山先生は2010年10月3日逝去されました。享年84歳でした。ご冥福をお祈りします。

莫山先生版徒然草ともいえる『莫山つれづれ』は毎日新聞社から単行本として絶賛発売中です。212ページ、1,575円(税込)
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