日本工芸会正会員 一水会会員 伝統工芸士
三浦勝雄・作

仁清写し 色絵藤花図文飾壺

先達の跡を求めず、求めたところを心にきざみ
現代九谷の名工・三浦勝雄師が典麗優雅な名作に挑む
わが国の陶芸史に残る国宝 

仁清・作「色絵藤花図文飾壺」が原寸大の傑作写しとしてよみがえる

【原作】 野々村仁清・作 国宝「色絵藤花図茶壺」
 (原寸法 高28.8x銅径27.7cm) MOA美術館所蔵
【仕様・体裁】
 天地約29.5cmx胴径約27cm
 桐箱付(作家直筆題簽・署名・落款入り)作品底面に作家刻印入り
手作りで制作しておりますので、写真とは寸法、絵柄など多少異なる場合がございますが予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

税込価格 378,000円(本体価格360,000円)

おかげさまで完売致しました。ありがとうございました。
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日本陶芸の最高峰・野々村仁清と国宝・色絵藤花文茶壺
江戸初期の名陶工・野々村仁清(ルビののむらにんせい)(生没年未詳)が京都洛西の御室仁和寺(ルビ・おむろにんなじ)門前に「御室窯」を開いて三百五十年。丹波の国野々村に生まれたとされる仁清は、仁和寺の「仁」と、名前の清右衛門の「清」をあわせて「仁清」と号しました。若き頃は京都粟田口の窯元で修業し、瀬戸で轆轤引きの技術に磨きをかけたのち、京都にもどり「御室窯」を開きます。千利休亡き後の大茶人・金森宗和の知遇を得た仁清は、その豊麗にして典雅、しかも洗練を極めた茶陶で、なにより日本的な美意識の色絵は、たちまち当時の殿上人や数寄者らの評判を得、名を高めました。「赤絵」や「錦手」といった色絵陶器の大成者とされ、弟子には尾形乾山がいます。代表作には「色絵藤花図文飾壺」「色絵雉子香爐」の国宝のほか、十六点の重要文化財があります。現在わが国の国宝に指定されている陶芸作品はわずか十四作品。そのうち二つが仁清の作です。残りの殆どが渡来品であることを考えると、仁清の作品がいかに突出したものか思い知らされます。

制作にあたって    三浦勝雄
このたび野々村仁清の国宝「色絵藤花図文飾壺」を原寸大で復刻するというお話をいただき、まず念頭においたことが、仁清の跡を求めず仁清の求めたところを求めようということでした。そのためにMOA美術館に赴き一日中一心不乱に色絵藤花図文飾壺を拝観、観察してきました。
仁清は金森宗和の知遇を得て茶道のいろはを取得し自らも茶人でした。それゆえ利休の侘・寂を心得ていたのだと思います。琳派的な装飾性の強い構図と描法を巧みに曲面に配置し、侘・寂を表現したのが、色絵藤花図文飾壺なのです。すなわち仁清が求め、後世に伝えたかったのは、装飾画様式と優雅性を融合した常住清浄の美を賛えた典麗優雅な世界ではなかったのではないでしょうか。そのことを胸に知行合一、虚心坦懐の境地で制作にむかいました。
制作にあたっては造形もさることながら、原寸大の平面でない画面に描く、図案全体のバランスに一番腐心いたしました。くわえて原作の持つ上絵の多彩さ、発色の艶高さの再現と銀焼付けの成功です。焼成を四度繰り返し完成にいたっています。
これまでに色絵藤花図文飾壺は何度となく制作されてきた作品ですが、原寸大の作品はなかったように思います。複製とはいうものの極めて芸術性の高い、最勝な「写し」作品になったと自負しております。

三浦勝雄(別号 加州勝)
昭和14年 石川県能美郡に生まれる
昭和33年 石川県立工芸指導所デザイン科卒
昭和51年 九谷焼新作展入選
昭和53年 北国現代美術展入選 以後5回入選
昭和58年 陶磁器一級技能士および職業訓練指導員に認定
   九谷焼デザイン展「銀彩椿文」最高賞受賞
昭和59年 日本伝統工芸展初出品入選、以後12回入選
  日本橋高島屋にて作陶展
昭和60年 伝統九谷焼展入選、以後連続入選
  九谷焼デザイン展「茶器、彩華」最高賞受賞
昭和61年 日本橋高島屋にて作陶展
昭和63年 一水会展硲奨励賞受賞、以後11回入選
平成元年 日本工芸会正会員となる
   陶芸ビエンナーレ89入選
平成2年 一水会展一水会賞受賞
  スコットランド・グラスゴー市ジャパンウィーク作品出品実演
   伝統工芸士認定される
平成3年 一水会展硲奨励賞受賞
平成4年 一水会正会員となる 
中国北京にて日中伝統工芸展にて作品紹介と実演(通産省主催)
平成5年 米国スミソニアン、サックラ美術館「黄釉風船かずら文壺」永久保存
現在 日本工芸会正会員 一水会正会員 伝統工芸士

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